森は、水源のかん養や土砂災害の防止など水土保全のはたらきがあるだけでなく、近年では地球温暖化の原因である二酸化炭素の吸収源としてのはたらきや、人の心と体を健康にする“癒し効果”に期待が高まっています。
森に対する期待が高まる一方、現場では、代替わり(相続)などで自らが所有する森がどこにあるのかわからなくなっている実態や、森を守り育てる技術者や技能者の不足、資源として活かされず切り捨てられる木材など、様々な課題があります。
また、ニホンジカなどによる森林被害、異常気象による気象被害や土砂流出、病虫害の発生など、森林生態系のバランスが崩れる様々な「異変」も起こっています。
江戸時代初期に度重なる洪水や大飢饉から人々を救済するために尽力した熊沢蕃山は、「山川は国の本なり。 近年山荒れ川浅くなれり。これ国の大荒れなり。昔よりかのごとくなれば、乱世となり…」と森林保全などによる治山・治水の重要性を述べています。
さらに太古の昔に遡れば、古代メソポタミア文明は、レバノン杉を切り尽くしたがために洪水により滅亡したと言い伝えられています。
大げさかもしれませんが古から学べば、今を生きる私たちは、「乱世」にも「滅亡」にも至らないようにする ために、森を健全な姿で後世に引き継ぐという重要な役割があるのだと思います。
また、森はすべての生き物の生命の根源であると言って過言ではありません。
そのような森に畏敬の念と感謝の気持ちを忘れず、子どもたちが大きくなり、孫やその先の世代になるまでも 将来にわたって森が健全な姿で、人々の暮らしを支え続けてくれる存在であってもらいたい。
このような思いから、
「森と木に感謝し 守り 活かす」 を
基本理念として、東京にある森 ~多摩の森~ において、森林の保全や保育管理、森づくりを担う人材の育成、地域産業の活性化、木材など森林資源の有効活用などの事業に取り組んでいます。
目指すもの vision
・森林管理の専門家として、相続などで管理が行き届かなくなる森の保全や整備を森林所有者
に代わり担っていきます。
・木材生産はもとより、水土保全や地球温暖化防止、生物多様性保全、リラクゼーション効果
自然体験・学習など森林のもつ多様なはたらきが発揮される森づくりを行います。
・森の恩恵として生まれる木材その他林産物を大切にして健康や環境に配慮した安全安心な
商品を提供していきます。
・森の癒し効果に着目したサービスやプログラムを提供し、心と体の健康の維持増進及び
回復などに寄与していきます。
・これらの事業活動を通じて多摩の山間地域の活性化に貢献していきます。